過食嘔吐が治った**あなたは私の日向です** -7ページ目

予備校生のスト-カ-(その2 続き)

教室見取り図 大 教室見取図(あくまで私の記憶)

   上に黒板と教卓、下は出入口ドア 右灰色は窓

   並んでいる薄茶色は机 

   6人掛けのイス 水色は男の子 ピンクは女の子 

   右列一番前 黒い場所 Aさん 

   左列後から二番目中央通路側 赤い場所 私

 

(続き)  

夏になった。

彼は指定クラスでは相変わらす1番前の席に座っていた。

私も変わらず友人達と一緒に後から2番目の席に座っていた。

でも以前と違うのは、

私が先生にあてられたり、友人に話かけられて口をひらくと、

Aさんは必ず振り向いて

私が話している間中無表情でこちらを見るようになったこと。

ちらっと見るのではない。

思いっきり振り向いて話している間中ず-っと見ているのだ。

瞬きもせず・・・

その行為は誰の目にも異常に映ったという。

 

ある日いつもAさんの近くに座っている男の子達が

「○さん(←私)いつも見られてるよね」と話かけてきた。

「俺この間Aさんに、一緒に後の席にいかないか って誘われたんだけど・・・」

と困っていた。

その中の一人が

後ろから見たらAさんがどんな状態なのか見てみたいと言い、

さらに私の後ろに自分達が座った時のAさんの反応を見てみようと言い出した。

授業開始直前に彼らは、

いつも私の後ろに座っている男友達と席を交換した。

Aさんは突然の出来事に驚いていたようだったが、先生が来てしまったので動けず

自分の席で授業を受ける事になった。

授業中、私を見るAさんの動かない目を見た男の子達は

口々に

「怖ぇ~」

と言った。

 

次の時間

私の後ろの列にいつも座っている男友達が

「さっきいきなりAさんに席変わって欲しい って言われたんだけど・・・

あの人なんか怖いよ」

と言った。

周りの女友達が

「それは絶対だめ。適当にごまかして断って」と言ってくれた。

私は少しずつAさんが怖いと思うようになっていた。

でも私には

毎日一緒にいて支えてくれる予備校の友達や、

励ましの連絡をくれる高校時代の親友達、

帰れば優しく楽しい家族がいて、

おかげでひどく悩む事も無く、

私はどちらかといえば気楽な浪人生活を送っていた。

ただ鈍いと言われればそれまでだが・・・

 

Aさんはそれまで受けていた社会や理科や数学等の選択授業を

全て私と同じに変更した

どこの教室へ行ってもAさんが居るようになった。

私が授業に出ずに自習室へ行けば、彼も後から自習室にきた。

彼はいつも一人だった。

私はいつも数人の女友達と一緒にいて、なるべく彼とは離れて座るようにしていた。

だからか話かけてくることはほとんどなかった。

ところが少しすると、

お昼休みに私と友達がお弁当を食べているすぐ側(半径1メ-トル以内)へ来て一人で座り

私達の会話に入っているかのようにうなずいたりするようになった。

友達がわざと聞こえるように

「何であの人ここにいるの?怖いんだけど」

と言っても気にする様子がない。

我慢できなくなった私は

「女の子だけで楽しくお弁当食べたいのでやめてもらえませんか」

と怒った。

Aさんは

わかった・・・

じゃぁご飯食べ終わったら少しだけ話がしたいから○教室にきてくれる?」

と言った。

嫌だったが、友達にこれ以上迷惑をかけたくないと思い承諾した。

食事が終わって言われた教室へ行くと

Aさんが窓辺に立ち、外を見ていた。

私は

「話ってなんですか?」

と声をかけた。

Aさんは振り返って私を確認すると

ああ・・・

とだけ言い、また窓の外を見始めた。

しばらく沈黙が続き、

私:「用がないなら戻ります」

Aさん:(窓の外を見たまま)「いや ダメだ。話があるんだ

私:「なら早くしてください」

Aさん:「・・・

私:「嫌がらせですか?」

Aさん:「違う そうじゃないんだ・・・

私:「じゃぁ何ですか?」

Aさん:「・・・

私:「ほんとに用がないならやめて下さい。じゃぁ」

私は友達の待つ教室へ戻った。

なのに次の日もAさんは食事している私のところへ来て

話があるんだ・・・

と言った。

「昨日行ったけど、何も話なかったじゃないですか!」

と私が怒ると

今日はちゃんと話があるんだ

と言った。

見るとAさんの目は焦点が定まっておらず、

危ない感じがして、断ると何をされるかわからないと思った

仕方なく昨日と同じ教室へ行った。

その日は事前に友達に、

「10分たって戻って来なかったら、

先生が呼んでるって嘘ついて教室に入ってきて」と頼んでおいた。

案の定Aさんは一言も話さず

ただ窓の外を眺めていた。

私はしびれをきらして

「戻っていいですか?」

と言うと、

ダメだ

とだけ言った。

少しして

約束どおり友達が呼びにきてくれたので開放されたが、

彼の雰囲気は異様だった

 

その頃には私もバイトをやめていて、

帰る時は女友達数人が駅まで送ってくれるようになっていた。

女友達が何人いようが、Aさんはまるで一緒に帰っているかのようについて来た。

やめてくれと頼んでもやめないので徹底的に無視した。

そのうち男友達も仲間に加わり、合わせて7~8人で毎日送ってくれるようになった。

それでもこりずについてきた。

彼は距離をあけてついてくるのではなく

まるでみんなと一緒に帰っているかのように輪に入り

でも話をするわけでもなく、ただ私の側を歩く。

その頃Aさんは目を見ただけで異常だと思えるほどおかしくなっており

怖くて周りもヘタな事は言えなかったのだ

 

秋になろうとしていた。

その頃からAさんは

毎時間必ず

授業が終わる10分前~20分前に

先生に トイレへ行く と

告げて教室を出て行くようになった。

別におかしい事だとは思っていなかった。

ただの生理現象だと・・・

しかしある時、

私の前の席の女友達が

私に問題の解き方を聞く為振り向いた瞬間固まった。

私の席は(図を見たらわかると思うが)通路側だったので、

彼女が振り向くと、私の後ろにある教室のドアが目に入る。

彼女は私の後のドアを小さく指差し

いる・・・見てる・・・」と言った。

Aさんはトイレへ行く為と教室を出ると

いつも教室の後にあるドアの窓から私を見ていた。

私が振り向いても微動だにせず、

その姿はまるで人形だった。

 

その頃私達は「スト-カ-」という言葉を知らなかった。

テレビで聞くこともほとんどなかった。

ある日友達が

Aさんみたいな人をスト-カ-って言うらしいよ」と言った。

私は、

怖いとは思っていたものの

そんな大げさなものではないし、

Aさんから受けている精神的ストレスもそれほどではないとたかをくくっていた。

季節は冬になろうとしていた。

続く・・・

今までで一番怖い間違い?電話

就職して一人暮らしをはじめて半年ほどたったある日の夜中1時頃

 

突然家の電話がなった。

 

電話をつないで半年、電話番号を知っているのは昔からの友人と職場の人だけ

 

ほとんどが携帯電話にかけてくるし必要ないかも・・・と迷った末に

 

母の名義で契約した電話。

 

こんな夜中にわざわざ家電にかけてくるのは誰だろう?と不思議に思った。

 

セ-ルスが多いので、いつも3コ-ルで留守電になるようにしてあり、

 

用心のため声が聞こえてから出るようにしている。

 

その日も留守電になるのを待っていた。

 

聞こえてきたのは40代くらいの聞き覚えのないおじさんの声。

 

なのにおじさんは私の名を呼び、

 

「○○~でてくれぇぇ たのむよぉぉ~ 俺の話を聞いてくれよぉぉ~」と言っている。

 

怖くてじっとしていると

 

なおも

 

「会いたいんだよぉぉ たのむよぉぉ~なぁ聞いてるんだろ?電話に出てくれよぉぉ~」と言っている。

 

「お前から見れば俺は確かにおじさんかもしれない・・・でもなぁ・・・」と必死でうったえている。

 

挙句「俺が死んでもいいのかぁぁ? このままだと死んでしまうよぉぉ~」と言っている。

 

私には全く身におぼえがない。

 

おじさんは留守電に録音されているのを知りながら、

 

私の名を呼び、

 

泣きそうな声だったり、憎しみを込めた声だったりで、

 

まるで私に語りかけるように

 

どれほど私を思っているかを延々としゃべり続けた。

 

まるで愛人に突然別れを告げられて何とか考え直してもらおうと必死だとでもいうように・・・

 

15分くらい一人でじゃべっていたが、諦めて電話を切った。

 

あれから数回おじさんから電話がきた。

 

毎回

 

「やっぱり今日もでてくれないんだな・・・もう俺は死ぬよ」と言って無言で数分待った後に切れた。

 

あの電話がこなくなって8年くらいたつ。

 

あわただしい毎日に私はすっかりそんなことを忘れてしまっていた。

 

あのおじさんの声が録音されたテ-プは、怖くて友達に聞かせた後捨ててしまった。

 

私が使う前にその電話番号を使っていた人が、

 

偶然私と同じ名前で同じくらいの歳だったのだろうか?

 

それとも私の知らない誰かが私に電話してきていたのだろうか?

 

おじさんは一体誰で、今元気にしているだろうか?

 

怖かった記憶・・・

 

小さいオッサンのせいでふと思い出した。

自分でも意味不明の涙

彼の帰宅は遅いので、

私は毎晩10時頃から彼と自分の食事の支度をはじめます。

昨日も彼からの「やっと終わった~帰るよ~」という電話を受けて

買ってきたさんまの頭と血袋みたいなのをとる作業にかかりました。

私は月1くらいの割合でさんまを焼きます。

もう何年もやっているので頭をとると同時に血袋もス-っと上手に取れます。

いつだったか彼が、私がそれをしている姿を見て関心していたこともあります。

それくらい私にとってはできて当たり前の作業。

それなのに

なぜかその日の私は、

さんまの頭を完全に切り落としてしまい、

その後

血袋だけではなく、背骨を抜こうとしていました。

抜けるわけがないのに、

骨についた身まで引きちぎりながら必死になっていました。

腹に包丁を入れて少し開き、さらに必死にむしりました。

気づいた時には

さんまは見るも無残な姿になっていました。

私はまな板の上にのったぐちゃぐちゃのさんまを見て

呆然としてしまいました。

何が起きたのかわかりませんでした。

落ち着いて

もう一匹のさんまはいつものようにキレイに頭と血袋をとりました。

焼く前に二つを並べて見ていると

涙が出てきました。

自分の行動が怖くなったのか、

自分のミスが情けなかったのか

わけのわからない気持ちでいっぱいになり

ただただ泣けました。

そこに彼が帰ってきて

泣いている私に驚き

「どうしたの?どこか痛いの?」と心配しました。

私は無残なさんまを見せて訳を話しましたが、

彼はなぜ私が泣くのか理解できず

「大丈夫だよ。そんな日もあるよ。俺だって有り得ないミスする時あるよ。

それ俺が食べるから泣かないで・・・」

と困りながら慰めてくれました。

私は泣き止み、調理を再開しました。

結局自分でも

なぜそうなったのか

なぜ泣いたのかわからないまま

彼に申し訳ない気持ちで

身の固くなったマズイさんまを口に運んだのでした。

美味しくてキョ-レツなホルモンのお店

先日、上司に近くで美味しいと評判の塩ホルモンのお店に連れていってもらいました。

だいぶ昔からいろんな人にそこのお店の噂は聞いており、

一度行ってみたいと思っていました。

美味しい以外に、店自体もそうだけど、店主がキョ-レツなんだとか。

店はかなり古く今にも壊れそうです。

店主は80過ぎのおばぁちゃんです。

お店のメニュ-は、

塩ホルモンとビ-ルと焼酎とウ-ロン茶とオレンジジュ-スしかありません。

そう、食べるものは塩ホルモンしかないんです。

ご飯は?と思うでしょう。

各自持参です。

学生なんかは、炊飯器持参でやってくるそうです。

何も知らないお客さんが

「かあさんご飯ないの?」と聞くと

「そこのコンビにで買ってきな!!」と言われるそうです。

あっ忘れてました。

サ-ビスでついてくる玉ねぎだけは食べ放題です。笑

そして会計はたいてい自己申告制

おばぁちゃんも途中まで「正」の字を書いて「何杯飲んだ」「何皿食べた」と数えているけれど、

最後にはわけがわからなくなって

「何杯飲んだ?」と客に聞きます。

仲良くなったらおばぁちゃんは

「今日私の誕生日だから9時に店しめるから帰ってよ」と言ったり、

「アンタ飲みすぎだjからこれで最後だよ!」と言ったりするそうです。

昔からよく行っている上司の話では、若い頃二日続けて言った日に

「アンタたちまた来たの?今日はホルモン1皿だけにしなさい。後は玉ねぎ食べなさい」と言われ、

「アンタは太ってるんだからビ-ルは2杯にしなさい。後は焼酎の梅わりにしなさい」と

勝手に決められたそうです。笑

行ってみると噂は本当でした。

外から見る限り、店は何十年も前につぶれたような感じだし、

中も負けずにイスもテ-ブルも今にも壊れそう。

常連らしき、○○先生と呼び合っている集団(学校の先生らしい)がおばぁちゃんに対して

「おお かぁさん まだ生きてたかい?」と悪態をつき、

おばぁちゃんも先生方に対して「アンタ死んでも私は死なないよ」と怒鳴ります。

お客の誰かが「キムチ食べたいなぁ~」とつぶやくと、すかさず

「そんなもんどっかから買ってきて食べな!」と怒鳴ります。

焼酎を頼むと

一升瓶と梅果汁の瓶が目の前にポンと置かれ、

混んでくると、「そこ!焼酎と梅は隣の席と共有して!!」と怒鳴ります。

私はその日上司2人と行ったのですが、そこで上司は焼酎の梅わりを7杯ずつ飲みました。

初めは上司もきちんと数えていたはずが、酔ってきてわけがわからなくなり、

「これは5杯目だな」と3回も言ってました。

結局、自己申告の末、5杯ずつというお会計になりました。笑

お店とおばぁちゃんのキョ-レツさばかり紹介してしまいましたが、

遠くからわざわざ電話予約して塩ホルモンを買いに来るお客さんもいるほどで

本当に今まで食べたどこの塩ホルモンも比べものにならないくらい

美味しかったです!!

また食べに行きます。

やっぱりあのおばぁちゃんもツボなので・・・


予備校生のスト-カ-(その1)

私が予備校に通い始めた頃、

スト-カ-という言葉はまだ広く知られていない言葉だった。

あと半年早くその言葉が流行っていれば

彼の人生が狂うことはなかったかもしれないし、

私もいまだに似た人をみかけて足がすくむことなんて

なかったかもしれない・・・


夏になろうとしていたある日の午後
予備校から駅までの道を一人で歩いていると
後から走ってきた人に
「○さんだよね?」と声をかけられた。
見ると同じくらいの年齢で学生風の背の高い男の人だった。
私が「はい そうですけど・・・」と言うと
彼は「俺Aって言うんだけど、予備校で君と同じクラスなんだけど、
突然で悪いんだけど、友達になってくれない?」と言った。
私は「こんな人いたっけなぁ・・・?」と思いながら
彼の少し照れたさわやかな笑顔につられて
「いいですよ」と答えた。
駅まで歩く5分間
出身高校や出身中学を聞かれた。
出身中学を聞けば引っ越していない限りだいたいの住所がわかる。
私は地元の人間ではなく、高校も予備校も片道1時間の列車通学だったので
住所などは詳しく話さずにすんだ。
私も一応義理で彼について質問してみた。
出身中学と今住んでるところは教えてくれたが、
出身高校と年齢は内緒ということだった。
彼は「君より少し歳は上なんだけどはずかしいから内緒」と言った。
別に予備校なんだから歳なんて関係ないのに・・・と思いながら
その場は終わった。

私が通っていた予備校は志望校によって5つのクラスにわけられていた。
クラスといっても
国語や英語の共通科目は指定のクラスで授業を受け、
他の科目は他クラスの人も混ざって 選択した科目ごとに別教室で受けた。
私は指定クラスでは友達数人と後から二番目の列に固まって座っていた。

次の日教室に彼の姿があった。
昨日までは誰も座っていなかった一番前の席に・・・
でも先生に名前を呼ばれて普通に会話しているところを見ると
確かにそこの生徒で同じクラスでもあるようだった。
きっとしばらく体調でもくずして休んでたんだろうな・・・と思った。
放課後、
友達と別れて一人で歩き出した私の後を
彼はまた走っておいかけてきた。
駅まで話しながら歩いたが、
たいした話ではなかったので内容は記憶にない。

少しして私はアルバイトを始めた。
毎日授業が終わると速攻帰っていた。
Aさんが追いかけてくることはなかった。
ある日トイレから出るとAさんがいた。
「おはよう」と言われた。
それまで予備校内で話をしたことがなかったので驚いた。
一緒にいた女友達が
「知り合いなの?あの人がしゃべるの初めて聞いた」と言った。
「一応友達になったの。よくわかんないけど」と答えた。
それから毎日のようにトイレから出るとAさんがいて挨拶されるようになった。
私は「サイクルが一緒なんだな・・・」とのんきに思った。
ある日前出の女友達が
「あの人怖いよ。○ちゃんトイレに行ったら必ず後おいかけて教室出ていくよ」と言った。
私は「きっと偶然だよ」と言った。
Aさんは予備校内ではほとんど誰とも話をしていないようだった。
2~3か月たっているのだから
一人くらい友達できてもよさそうなもんだと思ったが・・・
数日後彼が、私がよく話をする男の子たちと話している姿を見かけた。
やっと輪に入れたんだなぁと思った。
でもその後で彼らに呼び止められ、話を聞くと
「Aさんて人ちょっと変だよ。アンタのことばっかり聞いてくる。
自分の事は秘密だって言うし・・・実はオウム真理教の信者で(話題になりましたよね?)潜伏中なんじゃない?」
「俺は先生からAさんが24歳だか26歳だって聞いた」
「なんかよくわからないけど気をつけた方がいいよ」とのこと。
次の日男友達から
「アンタAさんに一目ぼれされたらしいよ。
久々に予備校に来て模試受けてて(友達になってと話かけてきた日)
ケシゴム落とした時にアンタが拾って笑顔で返してくれたからだって」と言われた。

記憶にない・・・
そんなことあった気もするけど
別に日常によくある事だし。
とりあえず気にしないことにした。
次の日トイレから出るとやはりAさんがいて、
話があると言われて別教室へ行った。
Aさんは、窓の外を見ながら
「大学どこ受けるの?」と言うので
「△大です」と答えると
「じゃぁ俺もそこ受けるわ」と言うので
「なんでですか?」と聞くと
「まぁいいじゃん」と。
以下の会話
A:「今度どこか行こうよ。考えといて」
私:(嫌そうに)「二人でですか?」
A:「そうだよ。なんで?ダメなの?」
私:「二人はちょっと・・・ていうか二人で行く意味がわかりません」
A:「・・・」
それ以降の会話も
なんだか私がAさんのことが好きで、
OKするのが当たり前のような言い方だった。
私は腹がたってきて、
「とにかくAさんと二人でどこかへ行くとか何かすることなんて絶対ないです。
私好きな人いるんでごめんなさい」と言ってAさんを後に帰った。

それから1週間Aさんは予備校に来なかった。
1週間後久しぶりに来たAさんは
目がうつろで覇気がなかった。
Aさんが休んでいる間、皆から
「○ちゃんが振ったから落ち込んで学校来ないんじゃないの?」
とひやかされていた私は、
少しキツく言い過ぎたかなぁと反省していた。
階段でAさんとすれ違う時、
うなだれているAさんがあまりに気の毒で
「おはようございます」と声をかけた。
Aさんは顔を上げて私を見た。
私がもう一度「おはようございます」と言うと
次の瞬間Aさんが希望に満ちた目をして微笑み
「おはよう」と言った。

私はザワっとした。
彼の目を見た時
自分の中の深いところにある何かが、
彼に声をかけた事をひどく後悔したのを感じた。

続く・・・

私のコンプレックス

私は自分の顔が嫌いです。

骨太な体も嫌いです。

男並に広い背中も肩幅も嫌いです。

男並にでかくてゴツい手も嫌いです。

でも

手がでかいことや、骨太や肩幅に関しては

それをネタに人を笑わせることができます。

ただ顔のことはネタにできません。

言葉に出すのも嫌なほどコンプレックスなんです。

嫌だけど言います。

何かと言うと・・・

顔のデカさです。

私は自分で言うのもおかしいですが
美人だとか整った顔をしているとよく言われます。
肌はそこまでキレイではありませんが、
スッピンでも何の問題もないと言われるほど
今のところ顔のパ-ツに不満はありません。
整形してもっとこうして・・・って理想を言えばキリがないけど
好きじゃなくても嫌いな程ではなく、そこそこに満足しています。
ただ 顔(頭)
は多分一目でわかる程 人より大きいです。

今は小顔が良いとされるので
多少パ-ツが悪くても顔が小さいだけでカワイイと思えます。
バイト先のお客さんにも
顔がもう少し小さければね・・・と言われたこと多々あります。
目が一重でも
まつ毛が短くても
鼻が低くても
それはお化粧や整形でどうにでもなります。
太っていたら痩せればいい。
でも、顔がでかいのは
骨が太いのは
痩せてもどうにもならない・・・

だから私は思うんです。

ブスでもいいから頭が小さく華奢な人に生まれたかった。

後輩に頭が小さくて細くて華奢な私の理想の体型の子がいます。
彼女は確かに目が細いけれど、お化粧すれば全然問題ありません。
でも彼女は言うのです。
鮎さんみたいに生まれたかった・・・
彼女は毎日何時間もかけて二重を作り、
付けまつ毛をしてキレイに見せようと頑張っています。
私は思います。
私はアナタのように小顔で華奢に生まれたかった・・・
お化粧さえすれば、嫌なら整形さえすればいいんだから・・・と。
でも彼女は私の方が幸せだと言い張ります。

私の友達に太っていることがコンプレックスの女の子がいます。
でも彼女は、年上だろうが年下だろうが
男だろうが女だろうが
みんなに好かれています。
初対面でも少し話せば
みんな彼女のことが大好きになります。
彼女は自分が太っていることをネタにして笑いをとります。
(私も気持ちがわかります)
彼女は痩せてキレイになりたいと願ってはいるものの、
太っていることに対して多少諦めが入っています。
でもそれ以外のところで一生懸命キレイになろうと努力しています。
お化粧したり、かわいい服を着るのはもちろん、
さらに内面を磨く。
私は彼女はじゅうぶんキレイだと思います。
会って数分で大好きになり、この子カワイイ!と心から思いました。
同じ「カワイイ」でも、
外見に多少自信のある人が、自分より見劣りするような人を
「カワイイ」というのとは違います。
(元々私も外見に自信がないのでそんなこといえるクチではありません)
太っていない私が、
太ってもいいから彼女みたいになりたいと羨ましく思えるほどの性格美人です。

最近太ってきたことを気にする私に彼が言うことがあります。
「ダイエットなんかしないでね。
太るのを気にしてギスギスするより
食べたいものを美味しく食べてる人の方が絶対キレイだよ」
私は納得できませんでした。
痩せた方がキレイに決まってるじゃん。

でも少しして私は太っている彼女を思い浮かべた。
確かに彼女は太っているけれど羨ましいくらいキレイ。
私たちは今のままの彼女が好き。
彼女がもし痩せたら今の彼女じゃなくなってしまう気がする。
周りが彼女に痩せて欲しくないと思う気持ちがわかる。
彼が私にダイエットをするなという気持ちはこれと同じかもしれない。

みんなそれぞれに理想や憧れやコンプレックスがある。
でも好きなところだって絶対ある。
好きじゃなくても嫌じゃないところが絶対ある。
たとえ全ての人にわかってもらえなくても、
誰か一人でも好きだと言ってくれるところがあれば
それは自分の好きなところにしていいハズ。

私は自分の顔のデカさが嫌い。
でも顔のパ-ツは嫌じゃない。

後輩は自分の目の細さが嫌い。
でも自分の華奢さは嫌いじゃない。

太った友達は自分の体型が嫌い。
でも誰にでも好かれる性格は嫌じゃない。

コンプレックスだらけだけど、
私たちは自分がひどいブスではないと思っている。
ほとんどの人が自分より美しいと思うし、
自分に自信はないけれど、
自分には明日があることは信じて疑わない。

きっと私達美しくなることを諦めていないから。

どこかが一つでもキレイに見える人は

きっと自分の全てを諦めていない人。

諦めなければ絶対キレイでいられる!

そうだそうだ

きっとそうだ-!!!

過食嘔吐で失った感覚

ものを食べている
又は食べた直後に
摂食障害でない人は何を感じ何を考えるだろう?
摂食障害を克服した今、
私はものを食べた時
食べ物が 「美味しい」とか
「美味しくない」とか
「しょっぱい」とか
「甘い」とかをまず最初に感じる。
そして もう少しこうすれば美味しくなる とか
○○にも食べさせてあげたい とか
この値段でこれは高すぎる とか考える。
みなさんはどうですか?
まず食べたら
目で、鼻で、舌で、その食べ物の何かを感じないでしょうか?

だけど過食嘔吐をしている時は違うんです。
どんな美味しいものでも高級なものでも
食べた時まず思うことは
「あ~後で吐かなくちゃ」 なんです。
美味しいとか美味しくないとかしょっぱいとか甘いとか
そんなこと別にどうでも良いのです。
食べたものじゃなくて
食べた行為自体が問題なんです。
食べてしまった だから
吐かなくちゃ。

過食嘔吐していた時と完治した今とでは
「ものを食べた」という信号が脳に伝わる経路(反射みたいなもの)や
伝わる場所が違う
んじゃないかとさえ思うほど
ものを食べた後の感覚が違う。
きっとこれは摂食障害を体験したことがない人には理解できない感覚。
ものを食べた後 「あ~美味しかった」 とか
「幸せだなぁ」 っていう感覚なんてない。

食べる=体に食べものが入る=太る

お腹に食べ物がたまっている状態が許せない。
少しでも何か食べたら(特に甘いものを食べたら)
1食べるも10食べるも同じだと思えて
どうせ吐くんだから・・・となってたくさん食べる。
わざわざ買いに行ってでも食べる。
少し食べただけじゃ吐けないってわかっちゃったから
吐く為に食べているようなもの。
どんなに甘いものが好きでも甘いものばっかりは続けて食べられない。
だから間にしょっぱいスナック菓子も食べる。
そしてお茶をガブガブ飲む。
飲み物を飲んだほうが吐きやすいことを知ったから。
そこまでして吐くなら食べなければいいと思うんだけど
食べるのを我慢していると食べたい衝動が起こる。
それはもう ものっすごい衝動で
一人ではとても抑えられない。
誰かが側にいて
食べ物を買いに行こうとする私の手をつかんで
「ダメだよ」と
衝動が起こるたび何度でも一晩中言い聞かせてくれたらいいと願う。

過食をする前に必ず思う。
「明日からダイエットしよう。今日が食べおさめだ」 と・・・
吐いた後に必ず思う。
「明日はこんなに食べないはずだから吐かない」 と・・・
そんな毎日の繰り返し。

人が生きていくのに
食事をするのは当たり前なんだけど
なんて言ったらいいのか
その基本的な感覚みたいなものが無くなってしまった。

美味しいものを美味しそうに食べることがどんなに苦痛で
食べた後に満足そうな笑顔でいることがどんなに苦痛かなんて
摂食障害以外の人が理解できるだろうか。
まずいもの美味しそうに食べる演技ではない。
実際に美味しいものを食べているのに
美味しそうに食べるという演技をしなければならない。
舌がおかしくなったわけではないから美味しいか不味いかの違いはわかる。
ただ、食べれて嬉しいか嬉しくないかと言われたら
何を食べても嬉しくはない。
だから人との食事では嬉しくもないのに嬉しい演技を常にしてる。
「あぁ~食べた食べた。満腹だ~しあわせ~」
これが過食嘔吐をしている頃
私が一番理解も想像もできなかった感覚。


そして今
完治してやっと取り戻した感覚。

逆流性食道炎?

過食嘔吐を毎日している頃
逆流性食道炎を2回やりました。
過食嘔吐にプラスして
消化促進の胃薬を飲み続けたことが原因だと思います。

朝起きたら胃に何も入っていないはずなのに胃が重くふくれた感があり、
吐き気がおさまらず、
ゆで玉子の黄身のような(硫黄のような)味のゲップがでました。
口から吐く息も硫黄の味がするんです。
横になっても苦しくて眠れませんでした。
私はその頃病院で医療事務をしていたので
出勤して先生に症状を話し、
吐き気止めの点滴をうってもらいそのまま検査入院しました。
胃カメラをすると
「逆流性食道炎」と診断されました。
実際は
胃の次の十ニ指腸に通常ある
胆汁だか膵液だか(聞いたけど忘れてしまいました)が
逆流して胃にきてしまっていたようでした。
他に病名をつけようがなく仕方なくつけたのが
「逆流性食道炎」だったんだと思います。
過食嘔吐に関しては一切話してなかったので
「普通はこんなふうにならないのになぁ」と先生は首をひねっていました。
でもきっと先生は気づいていたと思います。
なんてったって先生は研究熱心で腕がいいと評判の内科・胃腸科医ですもの。
私の気持ちを考えて言わないでいてくれただけで・・・
私はプロ相手にしらばっくれたわけですが。

もう二度とこんな苦しい思いはしたくないと思いましたが、
過食嘔吐はおさまらず
胃薬の乱用もしてしまい再び同じ症状で入院しました。
でも胃薬の乱用は胃の不調だけでなく
肌荒れや便秘をひきおこし外見に顕著に出てしまったので気をつけるようになり、
先生に処方された胃薬だけを飲んだおかげで三度目はありませんでした。

先生
あのときは本当にご迷惑をおかけしました。
ごめんなさい。
でも先生の優しさに感謝しています。


ところでみなさん胃薬には二種類あるのをご存知ですか?
みなさんが普段服用しているのは
二日酔いの時に飲んだりするドリンクに似た味の
ス-ス-する感じのではありませんか?
それはきっと胃酸の分泌を促進する方の胃薬です。
飲み続けると自分で胃酸の調節ができなくなり私のようになります。
空腹のはずなのに満腹感がある方やゲップがでる方は要注意です。
私と同じ症状になりかけているかもしれません。
ほっておくと胃潰瘍や十二指腸の原因になりますし、
肌荒れや便秘や口臭など外見に顕著な不調があらわれますので
病院へ行って胃酸を抑える方の胃薬を処方してもらいましょう。

どうかみなさんが
私と同じ苦しみを味わうことがありませんように。




一人の食事

icchiさんのブログを読んで思い出したので書いてみます。
icchiさん失礼します。


過食嘔吐は人と一緒にいるときはしなかった。
なぜなら過食嘔吐の直後の顔はヒドイから。
涙で目が腫れて顔がむくんで最悪。
その姿は誰にも見せたくない。だからしない。
でも
どんなに夜中で時間が無くても
一緒にいた人が居なくなって一人になるとやってしまう。
寂しいわけではない。
衝動が起こるのだ。
一度思いたったら我慢できない。
食べたい衝動を抑えられない。
アルバイトから帰ってきたら夜中の4時で
次の日7時に起きなくちゃいけなくても
寝る時間を削ってでも食べて吐いてしまう。
親友達は遠く離れた所にいた。
二股をかけている彼は遠く離れた所にいて彼女と暮らしていた。
仕事から帰ったら毎日同じことの繰り返し。
週2回バイトに行って、
例えそこでどんな人に好かれようと私は好きになれない。
それなりの友達と連絡をとるのさえ面倒になって、
私を心配してくれる大好きな友達からの連絡さえ受け入れられなくなった。
だから夜はほとんど一人。
そして食べて吐く。
この生活は誰にも気づかれなかった。
自分が過食嘔吐だということを私自信が認めていなかったから。
誰にも言わなかったし言う気もなかった。
毎日「今日で終わりにしよう」と思ったし、
吐いた後、明日こそ過食嘔吐しなくてすむかもしれないと希望を持っていた。
毎日希望はうちくだかれたけど・・・

自分の意思が弱いからダメなんだと思っていたけど
今それは違うと思う。
もしも今苦しんでいる人がいたら
声を大にして伝えたいこと。
それは

あなたは悪くない!!
意思が弱いからやめられない訳じゃない。
あなたは責任感や思いやりが強くて
自分より人を優先して考えてしまって
だから
病気になってしまった。
もしもあなたを本当に理解してくれる人が近くにいるのなら
勇気を出してその人に話してみたらどうだろう。
食事をした後も
眠りにつくまで一緒にいてもらったらどうだろう。
もしも大切な人が過食の原因だと思うなら
信頼できる人にたのんで間に入ってもらい
原因だと思う人に気持ちを伝えてもらったらどうだろう。
自分でできるなら
全部話して「アンタのせいで・・・」って一回責めてみたらどうだろう。
本当にアナタを思う人は
そんなことで離れていかない。
私は病院に入院したり
過食嘔吐を治す合宿をするより
大好きな人が
一緒に治そうと言ってくれて、
時間の許す限り一緒にいてくれる方が
治ると思う。


自分の経験で言っておりますので
これを読んで気分を害した方がいらっしゃいましたら
そのときはごめんなさい。










ヤマザキさん

高校生の時
駅のトイレに入った。
個室は4つ。
私は一番奥に入った。
用をたし、ズボンをあげようとした時
「ヤマザキぃ~!!」と叫びながらトイレへ駆け込んできた女の人の声がした。
私はヤマザキではないから・・・と思った瞬間
私の入っているトイレのドアをバンバンたたき
「ヤマザキ コラァ~ 出て来い コラァァ~!!
いるのはわかってるんだぞ コラァァァァ~!!!」

激しく怒って叫びだした。
あまりの激しさに
「間違ってますよ」とも言えず
しばらくじっとしていた。
が、一向に彼女の怒りがおさまる気配はない。
仕方なく
おそるおそるドアを開けた。
20代くらいの背の低い女の人が立っていた。
私の顔を見るなり
私を押しのけてトイレへ入り
カギをかけたかと思うと
「ヤマザキ コラァ~ 逃げられると思うなよ コラァァ~!!」と叫びながら トイレの壁やドアを中からバンバンたたいている。
唖然としている私に
お化粧を直していた知らないおばさんが
「大丈夫?あなたの他に誰か入ってるの?」と聞いてきた。
「誰もいません。」と答えた。
「でもあなたヤマザキさんじゃないんでしょう?」とおばさん。
「はい・・・わけがわかりません」
と私。
女の人は一人でまだ怒っている。
少しして
急にピタッと静かになった。
次の瞬間
「ヤマザキ コラァァ~!!」と叫びながら
女の人が勢いよく出てきたと思うと
そのまま「ヤマザキ」を連呼しながらトイレから駆け出して行った。
怖かった。
でもおばさんがいてくれて助かった。

それにしてもアレは
間違えをごまかす為にしてもなんにしても
やりすぎです。笑