初めて彼の家族に会った日 | 過食嘔吐が治った**あなたは私の日向です**

初めて彼の家族に会った日

高校の時からの親友(元カノ)である私の存在は

彼の両親は前から知っていた。

でも

終わったこととはいえ、

彼が4年以上も付き合った家族公認の彼女がいながら

私に会いに来ていた事実があるので

なんだか彼の家族に対しても後めたさでいっぱいだった。


彼が彼女と別れて2ヶ月ほどたったある日、

突然彼から

「今日メシ食いに行くのにお前も連れて来いって言うから行こう」

と言われた。

別れて2ヶ月しかたってないし、

変に思われたらどうしよう・・・とか

前述のような申し訳ない気持ちでいっぱいで、

私はどうにも乗り気ではなかったが、

せっかくの好意なので行くことにした。

お母さんは別の会合に行っているからと言い

お父さんは一人だった。

初めて会ったのに

とても気さくな人で話しやすかった。

彼がトイレへ立ち、

義父さんと二人になってしまって私が恐縮していると、

「アンタのことは前から聞かされてるよ。

本当にいろいろ迷惑かけて申し訳なかったね。

あんな息子だけどアンタのことは

本当に大事に思ってるみたいだから

どうかひとつこれからも宜しく頼みます」

と頭を下げられた。


私は胸につかえているものが

すっと取れた気がした。

その後はとても楽しく食事ができた。

それから

お父さんが仕事でたまに飲みに行くというスナックへ連れていかれて

お母さんと合流した。

お母さんとは職場の仲間と来ていたので

挨拶しかできなかったが

次に彼の実家へ行った時、

彼がテレビを見ているすきに

私をこっそり彼の部屋へ連れて行き、

話をしてくれた。


「これ覚えてるかな?

全部昔鮎ちゃんにもらったものなんだって」

そう言ってお母さんが飾り棚から取り出したのは

高校3年生のとき

バレンタインに私が作ったチョコレ-トム-スの空き瓶と包み紙だった。

それから・・・

離れ離れになる時に

ありあわせの布で適当に作ったペアのクマの人形。


彼と別れて、彼に彼女ができてから

私が社員旅行へ行った時に大量に買ってきて

気まぐれであげたチョコレ-トの小さな箱。


どれも申し訳ないくらい大事そうに飾ってある。

お母さんが言った。

「○(←彼)はね、

ずっと鮎ちゃんのことが好きだったのね。

高校の時もいつもなんかあるたびに

『△△(←私の名字)がさぁ・・・』って

うるさいくらい言ってたのよ。(=^^=)

だからね、いつかこういう日がくるってわかっていたの。

でもね、卒業して離れてから 

いろいろ鮎ちゃんにつらい思いさせたことも聞いてるから

私たちも 今までのこと鮎ちゃんになんてお詫びすればよいかわからないけど、

もしも許してくれるなら これからどうかうちのダメ息子を宜しくお願いします」


涙が出てきた。


私は彼の両親の

優しい言葉に

とても救われた。

彼の両親は

とても素敵な人。

本当にありがたい。


私はとても幸せ者です。